100年使えるフレーズ。

はじめまして。
元グラフ社編集部・現在フリーの臼井しのぶ と申します。

グラフ社で最後の仕事として、中谷さんの
『魔法使いが教えてくれる 愛されるメール』(1月24日発売)
を担当させていただきました。

メール……特に携帯のメール。
こんな小さなコミュニケーションツールがここまで普及するとは、
誰も想像できなかったと思います。
少なくとも昭和時代には。

キューブリックの『2001年宇宙の旅』(1968年)では、
巨大なコンピューター(現在のCPUならもっとコンパクト?)が反乱を起こすけど、
携帯のようなツールは出てこない。
浦沢直樹の『PLUTO』(2005年手塚治虫文化賞受賞作)は、
「鉄腕アトム・地上最大のロボット」(1964年)のリメイクですが、
この原作を読み返してみると、ビックリすることがあります。
プルートゥがアトムに送る挑戦状は、なんと「電報」だったのだ!
アトムのような高度な人間型ロボットを生み出す「未来社会」なのに「電報」
……人間の想像力って面白いですね。

さてしかし。
伝達のツールが変わっても人が人に「伝えたいこと」は同じ。
王朝時代の恋愛も、一夜のデートの後、朝に文を届けるのがマナーであったように、
「楽しかった」「会えてうれしかった」という気持ちを伝えるなら、タイミングが重要。

忠実で口の堅い召使を持たない われわれ現代人の、頼りになる従者が携帯というわけです。

50年後100年後、私たちはどんなツールで「会えてうれしかった」と伝えているのでしょうか?
……そんなことを想像しながら読むのも楽しいと思います。

たぶん100年後も使えるフレーズばかりです。

(臼井しのぶ)