マイ書評
kaoさんの
『眠り姫』(ぶんか社)書評
(2001年3月2日)
眠らない男と、眠ってばかりいる女の子、眠り姫との恋物語。
眠ることに幸福を感じ、眠ることを生活の中心とする眠り姫。
「眠っている時間こそが生きている時間なの。
ときどき休憩に起きているだけなの」(P69)

「私、夢の中で、いっぱいあなたとお話をしているわ」(P66)

彼女の言葉に、
ストーリーの中に、
荘子の「胡蝶の夢」に、たびたび出合う。

夢がまことか、まことが夢か。

眠ることに、夢見ることに、幸せを感じる眠り姫。

読んでいると、やすらかに眠る愛らしい女性の
寝顔が浮かんでくる。