マイ書評
しぐれ さん(No.0717)の
『眠り姫』(ぶんか社)書評
(2001年5月20日)
この物語を、ベッドの中で、読むのが、私の夢だった。
幸運なことに、その夜は、やってきた。
なんということだろう。
まだ、あまりページをめくらないうちに、
私は睡魔に襲われてしまったのだ。
目を覚ました私は、遅れを取り戻すかのように、
一気にラストまで読んだ。
今まで、こんな不思議な女性に出逢ったことはない。
眠り姫は、神秘のヴェールに包まれていた。
エンドマークが出る寸前、いたずらな風が、ヴェールをひるがえした。
一瞬だが、私は、彼女の素顔を見ることができた。
ちらっとのぞいたその顔は、なんとも言えず、可憐だった。