マイ書評
渡辺雅也さんの
『腕枕で聞いたお話』(実業之日本社)書評
(2001年1月18日)
この本は、恋愛小説っぽいジャンルです。
寝る前に彼女に読んであげているような本です。

大きく分けて3つあるのお話の中で、一番気に入っているのは、
2つめの女の子2人のお話(『親友の恋人』)です。
友情と恋愛のどちらをとるかの、2人の駆け引きが楽しいです。
しかし、このお話の魅力は、なんといっても、
将棋の「待った」みたいに、
「やっぱり、こうしよう」と、途中で突然話が変わるところです。
昨日の話はなし、ほんとはこうなんだ、と突然言われることで、
とまどいながらも、今度はどうなるんだろうとワクワクしてきます。

この2つめのお話は、僕が今まで読んできたような小説と違い、
前代未聞の展開を見せてくれたので、
鮮明に記憶に刻まれました。

ほかにも、1つめのお話(『もう一人の私』)は、不思議なお話、
3つめのお話(『想い出をください』)は、夢のようなお話です。
そして、3つに共通するのが、価値観について考えさせられることです。

僕の超お薦めの1冊です。