マイ書評
木の芽風らぴすさんの
『腕枕で聞いたお話』(実業之日本社)書評
(2009年4月7日)
この本は
私が初めて読んだ中谷さんの小説です。

毎晩、恋人に腕枕しながら聞かせてあげる物語……
という形で始まるのですが、
とっても不思議な展開に
私自身も
「続きはどうなるのかしら
早く明日の夜にならないかな〜」
という気持ちになりました。

第2夜の
〈みんな心に風車を持っている。
風車をまわすには、二通りしかない。
風を待つ人。
風車を持って走る人。〉(38ページ)

第8夜の
〈誰かに勝とうとするのは、
同じ種類の人になろうとすること。
世界で一人しかいない人になろう。〉(123ページ)

など、小説の形をとりながらも
しっかりと中谷ワールドが広がっており
「こういう形でメッセージを伝えることができるのだわ」
と感激しました。