マイ書評
しぐれさんの
『君は本の匂いがする』(実業之日本社)書評
(2001年4月24日)
はっとするような色の表紙、詩のフレーズのような題名に、
惹かれて、この本を求めた。             
家に帰るまで待ちきれなくて、公園のベンチで本を広げてしまった。
あっという間に、私は本の世界に吸い込まれていった。

中は様々な部屋に分かれていた。
『小鹿物語』の部屋、『巌窟王』の部屋、『福沢諭吉』の部屋……。
私の胸は高鳴っていた。
順番に各部屋を訪れていった。
どの部屋もそれぞれ魅力的だった。

すべての部屋をまわり終え、現実の世界に引き戻された。  
そのとき、うたた寝をして夢から覚めたような気分だった。
それくらい、最後にまわった4つの部屋は謎めいていた。