マイ書評
銀河さん(No.0709)の
『南青山の天使』(全日出版)書評【2】
(2006年7月1日)
きっと忘れない……そのとき見た街の光景のことは。

ある日突然、賞賛を浴びた。
いきなり名前を呼ばれて、壇上に立った。

ずっと長いことそうした瞬間を夢見ていたはずだったのに、
実際になってみると、すっかり上がり動転してしまった。

その夜見た風景は、いつもの風景とは何か違って見えた。
ほんの小さな一歩だったけど、
初めて自分がここにいていいんだと実感できた。

刻一刻と移り変わる光景の中で、天使が微笑む瞬間がある。
そのとき見た光景はきっと忘れないだろう、これからも。