【出会いとは、毒薬のようなものなのです。】(61ページ) 師匠は、ケタはずれの奇人変人で、 筋金入りの叩き上げで、 百戦錬磨の猛者だった。 そして、正真正銘の天才だった。
説教が始まったら、徹夜になることもあった。 コンピューターが凄まじい勢いで回転している感じだった。 周囲を戦々恐々とさせながらも、師匠は慕われてもいた。 私は落ちこぼれで、学んだ知識すら忘れ果ててしまった。 だが、強烈な個性と出合って得たものは、一生を変えた。