マイ書評
あきなさんの
『目覚まし時計の夢』(第8次「早稲田文学」83年5月号)書評
(2005年5月13日)

中谷本を全部読んでもわからなかった部分の鍵がありました。
私が中谷さんの自称弟子になって以来、
一番感じたかったエッセンスが、やはりココにあったかという匂いです。
香りではなく、匂いです。

中谷さんが書いた順番から読むのなら、
真っ先にこのデビュー小説からなのですが、
中谷さんの中へ中へとだんだん入って行こうとしてきた私にとっては、
やはり待っていたこの順番が、正解でした。

3Dのように中谷さんの魂が立体的に見えてきました。

中谷本を読んで、何と言われようが疑問に感じて反発し、
ケンカをしてきた部分は、すべてこれでいったん解消されました。
なら、最初に読んでいればもっと早かったかと言えば、
それでは、その後の過去本が吸収できなかったと思います。

私にとって、今を区切りに、
今後の本の読み方の新たな土台になりそうです。