「井狩春男のこれは売れる!」
(「週刊ダイヤモンド」2000年9月2日号)
すぐに読めて、オモシロサがわかる。
瞬間に近い短い時間で、すっかり酔いしれてしまい、
心の底からの感動が得られる。
あるいは、とてもわかりやすく、
類書に比べて半分の時間で情報や知識が吸収できる。

たいがいの読者が求めているのは「短さ」である。
本のほとんどは、半分ぐらいの量と時間が求められている。
読者の好きな感覚は、”半分”なのだと思う。

マクドナルドのハンバーガーの一部が平日半額。
これがべらぼうに大当たりしているのは、
日本人に「半値」という感覚がバッチシはまったからである。
半値、というのにたまらない魅力を感じる。
そんなに安くてイイの?! 買わなきゃ損だ! と思ってしまうのだ。
半値にして、マクドナルドの売上げは5倍になった。

本の場合は、読む時間を(小説など読み物は除いて)
半分にする必要があるだろう。
だらだらと文章量を多くしてしまうのはダメな著者だ。
同じ内容を、半分くらいの文字数でわかりやすく書くのがプロ。
各章や項目は、センスのいいコピーでなければならない。
そのコピーは、結論である。
結論が頭にきて、それでよくわからない人は、コメント(短い)を読む。
そんな按配の本がよく売れている。

代表は中谷彰宏さんの本たちだ。
何冊分もの内容が、半分以下の時間で読める。
とてもわかりやすい。
お手本である。