存在そのものが「ブランド」である中谷彰宏と石井竜也が語る
「自己ブランド作りの法則」。
評:廻由美子(ピアニスト)
たとえばルイ・ヴィトンのバッグを持っても
「それ、見よ、あそこにルイ・ヴィトンが行く」
と言われたらオシマイだしカッコ悪い。
所持品のみがそれぞれのブランド力で光り輝いているのに、
持ってる本人はブランドに頼るばっかりで自信がなく、オドオドしてる、
なんてのはブザマだし、すごくみすぼらしく見えてしまう。

バッグやクツに負けてどうするのだ。服に着られてどうするのだ。

そうだ、ブランド力をつけなきゃ。
自分自身がヴィトンやグッチにまけないブランドにならなきゃ。

そこでこの本『自分がブランドになる』である。


国民的バンド「米米CLUB」を経てソリストとなり、
現在はプロデューサー、監督としても大活躍の石井竜也。
博報堂のCMプランナーから独立し、以後400册ちかくの本を執筆、
その他舞台、ドラマなどにも活躍の場を広げる中谷彰宏。
このブランド中のブランドであるお二人が
秘伝「ブランドの法則」を一挙に公開!なのである。

「自分が好きなことをやっていると勝手にそれが
ほかの誰にもないポジショニングに行く。
こういうのが世間にウケるのではないかと思ってやりはじめると、
そこには大勢ライバルがいる」(中谷)

フムフム、楽しくやっていればマチガイないわけですね。

「はやっている中華料理店はメニューが少ない。
ダメなところはハンバーグまであるがキメ手がない。
大体この店に行ったら天津丼がうまいということになれば、
人はそこに集中する。
天津丼650円という立派なブランドができるわけだ」(中谷)

なるほど、小さくても手堅くキチッと仕事をするのがブランドへの道ですな。

「自分がプロデューサーでプロデュースしていても、
自分もプロデュースされる楽しさを共有できなければ、
それは決してブランドにはなり得ない」(石井)

仕事仲間とはもちろんのこと、
お客さんとも共同作業してる感覚をもつことが大切ね。

「あの人に頼めば、必ずこの程度のモノができてくる
という信頼度をかち取るまでは、大変な努力が要る」(石井)

やっぱり地道な努力の積み重ねってことですね。

人生の教訓としてもなかなか役立つ言葉の数々が並んでいる。
自分の好きなものを見つけ、コツコツ積み上げ、
誇りをもち、実力をアップさせて信頼を得、
カリカリ怒ったりせずに他人にはつねにやさしく、
いいところは必ずホメ、自由な感覚を持ち……。

あー、私にはとてもできないが、
それがデキたからこそこのお二人は「ブランド」になり得たのでありましょう。
さすが、であります。

(「オンラインブックストアbk1書評」から)