『危ない男と、つきあおう。』(大和書房)
評:井狩春男
(「週刊ダイヤモンド」 2002年1月26日号)

売れるタイトルをつけられる著者や編集者が勝ち残る。
これはマチガイない。
つまり、それは売れる本というのを、
タイトルから装幀から中身(つくり方、または書き方)まで、
どうしたらよいのか、
つまりベストセラーの方程式を熟知しているということだ。

その意味で、それを身につけた著者となると、
ピカイチは中谷彰宏さんである。
書名のつけ方一つでもよくわかる。
『危ない男と、つきあおう。』(大和書房)とはウマイ。

「なぜ、彼女は『いい男』をつかまえたのか。
理想の相手にめぐり会う、恋愛のルール。」

危険な男を美化するわけではないが、
それくらいのほうが魅力がある。
フツーの頼りない男よりは、冷めていて、
世間を知っている部分があるともいえる。
思いもよらぬ発想をすることだってある。
とにかく、危ない男とつきあう、というこの書名は刺激的である。
イイ女ほど、店頭でこの本に手を伸ばすのではないかと思う。

タイトルだけでも売れる。
男も読みたくなる。
80ポイント。