『やりたいこと再発見 自分リストラ術』(幻冬舎)
評:井狩春男
(「DKR MANAGEMENT REPORT」 2002年2月号)

リストラされる人と、みずからリストラする人に分かれる。
それは、「リストラされる人」と「リストラされずに残る人」ではない。
リストラとは、クビでも転職でもなく、「サラリーマンが、自立する」こと。

自立は、独立ではない。
ここでは、自ら先にリストラする方法を教えている。
「会社がリストラして、21世紀型の社会に生まれ変わろう」としているのに、
あい変わらず、20世紀型の能力しか持っていなかったら、クビになる。
40代のリストラは、10人のうち7人が会社からされた人で、残りの3人は自分リストラ。
20代では、それが逆になる。

「やり方を変えることで、結果を変えよう」
「手段を先に考えるから、目的が下がってしまう」
「成功者は、意外に夢を持っていない」
「壁は、決して行き止まりではない」
「始める前に、きちんと終わらせよう」……。

目次を読んでいるだけでもだいたいわかる。

「リストラとは、」ではじまる目次がいくつかある。
並べてみよう。
下だけ書くと、
「『NEVER UPSET』だ」
「価値観を広げることだ」
「『悪魔のサイクル』から抜け出すことだ」
「洗脳するのではない。洗脳から解き放たれることだ」
「青春時代にしたことに、再挑戦することだ」
「リストラはダイエットと同じ。ガマンでは成功しない」……。

「数字では豊かになれない」
数字を目標にしたら、豊かになれない。
いい例が中流の金持ち。
もっとお金を増やそうと思うから、生活を切り詰める。
豊かさは味わえないのだ。
ビジネスはブランド。
ブランドをつくるなら、数値化できない評判をつくることだ。
管理職も、自分リストラが必要なのでは。