著者で、自分をブランドにしてしまった人は、
小生の知る限り、中谷彰宏さんだけある。
こういう場合、仮に著者がこの世を去っても、
ブランドは残るのだ。
中谷さんは、本を売っているのではない。
ライフスタイルを売っている。
ほとんどの著者に、まだこういう考え方はない。
月に10冊前後の新刊を出している。
小生の10年分を1か月で書いてしまう勘定になる。
既刊は500冊に近づこうとしている。
こんなに量産できるのは、
竹村健一さんと中谷さんぐらいなものだろう。
中谷さんが次々と本を出せるのは、
事務所のスタッフが優秀(本が売れる方向がどっちだか知っていて、
中谷さんをサポートできる)であることと、
各出版社の中谷さん担当の編集者も、
その方向と中谷本のつくり方を熟知しているからだと思う。
つまり、すべてが売れるように組まれていて、
円滑に回っている。
売れない本は、出す意味がない。
人に読まれない本を出してどーする。
売れる本がイイ本であることを、中谷さんはご存知なのだと思う。
ベストセラーの方程式を身につけているのだ。
『キャバクラ嬢の「私が口説かれた言葉」』(総合法令出版)
こんな読みたくなるタイトルを、たやすくつけられるものではない。
このセンスのよさが、中谷ブランドの中心部にある。
「キャバクラ嬢の」と頭につくだけで、
男はちょっと読んでみようと思う。
「私が口説かれた言葉」は、人を説得する(墜とす)方法を学べるのと、
興味津々ということもあって、男は思わず手が伸びる。
また、女性も、
どんなふうに誘われるのかを知りたくて、読んでしまう。
ベストセラーの方程式からいえば、
「身近な恋愛」(キャバクラのこと)と、
口説くという「身近」、
言葉という「短い」で、
必ず売れるのである。
90ポイント。
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