『男は女で修行する。』(大和書房)
評:井狩春男
(「週刊ダイヤモンド」 2002年11月16日号)

タイトルのつけ方が一番ウマイ著者は、中谷彰宏さん。
売り方を知っているのだ。

『男は女で修行する。』(大和書房)には、
「ビジネス運を上げる60の法則」とサブタイトルをつけている。

ウマイ!
これで、ターゲットがビジネスマンであることをさり気なく知らせている。

真っ赤なカバーには、モンキー・パンチの絵がある。
髪の長い美女二人に、読書を主人公に見立てた男が一人。
横たわる美女をまたぐ格好がニクイ。
 
女で苦労し、そこから学ぼう。
一生懸命に「ありがたい」「うれしい」を付け加えよう。
言葉より、声に気をつけよう。
恋も仕事も、頭ではなく、体でしよう。
幸せを、探すのではなく、感じよう。
自分の精神年齢を、恋人の年齢で計ろう。
恋人を育て、恋人に育てられよう……。

読みたくなるような目次がつくれる、これも、
売れる著者の条件である。
安定の、90ポイント。