『レストラン王になろう』出版記念講演会

中谷彰宏 顧客満足セミナー
「初めてのお客さん を一生のお客さんにする方法」レポート

(オータパブリケイションズ 近藤寛和)

 

サービスとは、
お客さんに対して「するといいこと」を
自分なりに広げていくことだ


99年3月1日、午後2時、千葉県浦安市の浦安ブライトンホテルに350人の
サービスマンが集まった。ある人は新幹線で秋田から、またある人は
飛行機で熊本からこの日のために飛んできた。ホテル、レストラン、エアライン、
デパート、書店、美容院、スーパー、パン屋さん、会計士・・・・、
職種は違うけれど、みんな中谷彰宏さんのCS (顧客満足)の著書に
感銘を受けた人たちだ。

ステージに中谷さんが立つと、開口一番、
「もっと椅子を引き寄せて前に来ませんか」と会場に呼びかけた。
整然として緊張感に満ちた会場の空気がふっと和み、
参加者はそれぞれのイスを持って前に寄り、中谷さんを扇状に取り囲んだ。
そして中谷さんは、ボードに◎(二重丸)を描き、次のように説明する。
「サービスの世界を◎にたとえた場合、まず内側の丸の中が、
お客さんに対して“してはいけないこと”で、外側の丸の中が
“しなければならないこと”となります。でも、それがすべてではありません。
大事なのは、◎の外側に無限の広がりを持つ“するといいこと”。
この部分にこそ1人1人の個性が発揮されるのです」


●会場は笑い、聞き入り、質問もたくさんとびかった。

サービス業のポイント、顧客の心をとらえる極意がつまった「キーワード」を
連発した1時間。「サービスはどの範囲までするべきでしょうか?」の質問には、
「サービス過剰、出過ぎた真似になるかもしれないという恐れを捨て、
精一杯サービスに尽くして下さい。お客さんに叱られてもいい。

大切なのは、それがしこりにならずにその後お客さんとさらにいい関係を
結んでいけること」と結んだ。

説得力ある生の言葉にじかにふれ、本で読むのとはまた違う迫力、
魅力に引き込まれ、講演後、参加した方々はパワーをもらい、
こころなしか顔は自信に満ちあふれていたようだった。

とくに、一番前にイスを運んだ女性が中谷さんのお話に聞き入っている様子と、
一言一言を書き逃さぬようにとメモを取る若者が必死にノートを
めくっている姿が印象的だった。

(関連情報は、「編集者のページ」にも掲載されています)