あんまり有名じゃないけど、自分だけが好きなかわいい映画があります。

それを、君が観ていた。

しかも、こう言った。

「私も、その映画大好き。なんで知ってるの？」

その時、僕たちは、友達同士から、恋人同士になった。

恋愛には、偶然がつきものです。

ふとした偶然から、恋が始まります。

あの時、もしあんなことをしていなかったら、恋をしていなかったろう。

これが偶然です。

偶然起こることは、その時には、それが後に恋につながるなんてわからない。

これが、偶然のやっかいなところです。

日常生活の中から、偶然を見つけるにはどうすればいいか。

どんなささいなことでも、意味のある偶然だと、大事にすることです。

（「まえがき」から）

この本は、96年12月に刊行された『偶然の一致には意味がある』（ＰＨＰ研究所）を
改題し、文庫化したものです。