「あいつ、アホやな」というのは大阪ではほめ言葉です。
「アホ」というのは、利口という枠からはみ出ているのです。
だから、「あいつ、アホやな」と言う時は、
その人に対してかなり好感を持っています。
「あいつ、またアホなことをやって」と言う時は、
その人が自分の常識の枠の範囲を超えた行動をとっている時です。
それは勇気がある行動です。
枠を超えようとしているのですから、相手のほうが頭が良くてユニークで、
広い常識を持っています。
大阪の人は、「けったい」であるためにどうしなければいけないか、
を常に考えます。
それは「ウケるためにはどうしたらいいか」という考えと同じです。
1軒のレストランが開店した時でも、
「けったいな店ができたらしいよ」と言われると、「行ってみようか」となります。
今、個性のないお店はダメです。
あるデパートが倒産した時、一番わかりやすい街のコメントは
「あそこがつぶれても困らへんから」というものでした。
そこに行かなければ買えないものがあれば、
みんな「頼むからつぶさんといて」と言います。
会社が火だるまになって倒産しそうになった時に、一般の消費者から
「税金使ってもいいから、それ、つぶさないでくれ」と言われるようになって初めて、
企業の意味があるのです。
そういうところはつぶれません。
(「まえがき」から)
●第1章 スピードは、大阪人に学べ。
●第2章 パワーは、大阪人に学べ。
●第3章 トークは、大阪人に学べ。
(「目次」から)
※この本は、2000年10月に、PHP研究所から刊行された
同じタイトルの本を文庫化したものです。
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