【サービス料金は、お客様が笑った回数で決まる。】
おすし屋さんの料金は何で決まるのでしょう。
おすし屋さんの料金は、往々にしてよくわかりません。
私がよく行く青山「海味(うみ)」の板前・長野充靖さんは、
笑って教えてくれました。
「私がよく伝票にこうして何か書きこんでいるでしょう。
これは笑った回数をつけているんですよ。
うちのシステムは、1回笑ったらいくらという料金になっているんですよ」
これは冗談のようですが、実はサービスの大原則なのです。
たとえば、ネタが大トロだと高くて、普通のトロなら安いという話ではない。
たくさん食べたから高いとか、
そういうモノに対してお金をいただくのではないのです。
たとえモノのやりとりをしていたとしても、
結局お客様が笑った回数でしか料金を請求してはいけないのです。
これがサービスの鉄則です。
人間は、おいしいものを食べると、意識していなくても顔が笑っています。
おいしい、楽しい、うれしい、感激した、そういう時に人間は
本当の笑顔になります。
売る側はどうしてもモノのやりとりを中心に考えがちです。
でも本当は、笑顔を売っているのです。
お客様を笑顔にすることがサービスなのです。
【お客様の笑顔を数えてみよう。】
(「まえがき」から)
※この本は、1998年5月にダイヤモンド社から刊行された
『お客様にしなければならない50のこと』を改題、文庫化したものです。
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