【ぞうきんを絞る時、右脳が目覚めている。】
ぞうきんを絞れない子供がいます。
どう力を入れていいか、わからないのです。
ぞうきんを絞るというのは、実は不思議なことをやっているのです。
「ぞうきんをどう絞ればいいのですか」と言われたら、
ぞうきんの絞り方の説明は難しいのです。
これは右脳的な動きです。
右脳的な動きは、言葉での説明はすごく難しいのです。
言葉で説明できるのは左脳的なことです。
鉄棒の逆上がりも同じです。
逆上がりは、できたらできますが、できないとわかりません。
言葉では説明のしようがないのです。
ビデオデッキの使い方は文章で書けますが、
自転車の乗り方を文章で書くのは、すごく難しいのです。
ぞうきんの絞り方も、文章で書けと言われたら、
よほどの文章力が必要です。
ぞうきんの絞り方もみんな違います。
横に絞る人と縦に絞る人がいます。
右手が上、左手が上という違いもあります。
これは、右脳的な動きです。
実は、右脳的な動きをやってみると、右脳が目覚めるのです。
ぞうきんを絞るのは、力ではありません。
力でぐいぐいやるのではなくて、意識をそこに集めるのです。
上手な人が絞ると、絞れます。
ヘタな人の絞ったぞうきんは、ビチャビチャです。
その割には、本人は手が痛いのです。
あれは力がないということではありません。
コツがあるのです。
正しくは、縦に絞ります。
TVのドラマでも、掃除のできる人はちゃんと縦に絞っています。
発想が左脳人になってきたなと思ったら、頭の中でぞうきんを絞って
右脳人に切りかえればいいのです。
(「あとがき」から)
* * * *
まえがき 右脳人は、動いているものが見える。
動いているものは、動いているものにしか見えない。
●第1章 右脳人は、速くて上手。
●第2章 右脳人は、度量が大きい。
●第3章 右脳人の、ライフスタイルを学ぼう。
あとがき ぞうきんを絞る時、右脳が目覚めている。
(「目次」から)
※この本は、2003年2月にPHP研究所から刊行された単行本を
文庫化したものです。 |